色無地ってどんな着物？結婚式に着る時の注意点とは？

色無地は帯で変身⁉シンプルだからこそ楽しめる着こなし術と結婚式での装いマナー

「無地の着物ってシンプルだけど、帯を変えるだけでガラッと雰囲気が変わるから好き！」そんな声、実は多いんです。でも一方で、「どんな場面で着ればいいの？」「フォーマルな場に色無地ってアリなの？」と迷ったことがある方もいるのではないでしょうか。

訪問着や振袖と違って、色無地はちょっとカジュアルなイメージを持たれがち。でも、実はとっても奥深く、選び方や合わせ方次第で結婚式などのフォーマルシーンにも大活躍してくれるんです。

今回は、そんな“色無地”の魅力にグッと迫ります。
色無地の基本から、結婚式でのマナーやコーディネートのポイントまで、着物レンタル店「京都着物レンタル和楽」が丁寧に解説。ぜひ最後までチェックして、あなたも色無地マスターになりましょう！

色無地ってどんな着物？シンプルなのに、奥が深い一枚

「色無地（いろむじ）」とは、その名の通り“無地に見える”一色染めの着物のこと。黒以外の色で染められた着物で、パッと見はシンプル。でも、実はその生地には「地紋（じもん）」と呼ばれる織り模様が隠れていて、光の当たり方でふわっと浮かび上がるんです。地紋が織り込まれた綸子（りんず）などの生地がよく使われていて、派手すぎず、でも上品な華やかさを演出してくれるのが魅力。

この“控えめな美しさ”、刺繍や染めの模様とはまた違った、まさに“大人の粋”。シンプルだからこそ、帯や小物で遊び心をプラスできるのも色無地の楽しいポイントなんです。

さらに色無地は、シーンに合わせて“格”を調整できる万能選手！
たとえば――

• 紋なし： カジュアルなお出かけに。街歩きや食事会にもぴったり

• 一つ紋・三つ紋： ちょっとフォーマルな席に

• 五つ紋： 結婚式や茶会など、格式のある場でも着られます

ちなみに、茶道をたしなむ方の間では「色無地に紋」は基本中の基本。茶席では一つ紋以上がマナーとされています。

色無地と紋

色無地には紋を入れるのが一般的という話をしましたが、ここでは紋の入れ方、格について詳しくみていきましょう。

五つ紋の入った色無地

五つ紋の入った色無地は、五つ紋の入った色留袖と同格の扱いになります。すなわち、最上位の礼服ということです。格式のある茶席や叙勲授賞式、結婚式や披露宴などで装うに相応しい着物です。

三つ紋の入った色無地

三つ紋が入った色無地は、無紋の訪問着よりも格がある準礼装着として装うことができる着物になります。初釜などの茶席や披露宴、授賞式、結納の儀の親族や仲人が装うに相応しい着物です。しかし、三つ紋の入った着物は格が高いものの、五つ紋ほどの格の高さはないため、非常に限定された着物になってしまいます。そのため、最近では三つ紋入りの着物はあまり作られなくなってきています。

一つ紋の入った色無地

一つ紋の入った色無地は準礼装の着物として用いることができます。茶席の他、大学の卒業式、七五三や入学式の付き添い、授賞式など、とても着る機会が多い着物として人気があります。

色無地の楽しみ方

色無地は着物の生地の色自体は一色で、地紋も派手に目立つことはないため、帯を引き立たせるのに良い着物です。小物や帯を変えることでガラリと印象も変わるため、着物の楽しみ方に幅が出るのです。

紋を楽しむ

色無地は他に柄が無いことから、紋が目立ちます。染め抜き日向紋以外に、陰紋、縫い紋、友禅染や刺繍の洒落紋など、様々な紋を楽しむことができるのです。

ちなみに、家紋が分からない時は誰でも使うことができる「通紋」を用いることができます。

帯で楽しむ

「色無地一着に帯三本」と言うことがあるように、着物一着に対して帯を取り換えて、雰囲気を楽しむのが着物の着方、着物の楽しみ方だと言われています。柄がある着物は、なかなか帯合わせが難しいものですが、色無地であれば帯の柄を気にすることなく、合わせることができます。特に季節ものの柄が入った帯は、柄の入った着物と合わせにくいというデメリットがありますが、色無地であれば逆に季節感を帯で表し、いつもとは違った着物の楽しみ方を味わうことができるのです。

色無地を結婚式で装う

ここまで色無地についての基本的な知識についてさらってきました。最後に、色無地を結婚式で装う時のマナーやルール、コツについて解説していきます。

遠縁の親族として出席する際に装う色無地

花嫁花婿の母、伯母、叔母など近しい親族は黒留袖や五つ紋付きの色留袖を着るのがマナーです。しかし、遠縁であれば黒留袖を着る必要はありません。むしろ、格を重んじつつも上品さを演出する色無地は喜ばれます。この際に装う色無地は三つ紋付きのものが望ましいですが、一つ紋付きのものでも問題ありません。結婚式に出席する際には、末広を携帯することも忘れないようにしましょう。

合わせる帯は、金銀錦が目立つ、格の高い織りの帯を選びましょう。帯に金糸や銀糸の織りが入っていないと格が下がってしまうので気を付けましょう。

花嫁や花婿の友人知人として出席する際に装う色無地

色無地は既婚未婚問わず着られる着物です。地色の美しさが結婚式会場に彩を添え、かつ花嫁の引き立てにもなるので、結婚式で色無地を装うと喜ばれます。結婚式や披露宴で装う色無地は必ず紋が入っているものを選びましょう。紋が入っていないものはカジュアル着とみなされ、結婚式などのオフィシャルな場では嫌煙されてしまいます。紋は一つ紋が入っているものが望ましいです。三つ紋付きは遠縁の親族が、五つ紋付きは親族が装う色無地なので、親族よりも格が高い着物を装うことは避けなければなりません。もし三つ紋付きの色無地しかない場合は、事前に花嫁や花婿に問い合わせ、着ても大丈夫か確認を取っておくとトラブルにならないでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。色無地について、色無地とはどんな着物なのか、結婚式に装う時にはどんなことに気を付けなければいけないのか解説してきました。

色無地は基本的に紋を入れて装う着物です。紋の数によって装う場が変わってくるので気を付けましょう。装う場に応じて、合わせる帯を選び、色無地のコーディネートを楽しむのがおすすめです。

結婚式で色無地を装う際は、できるだけ明るい色を選び、お祝いの意を表しましょう。合わせる袋帯は、縁起物などおめでたい柄行の物で、金銀豪華なものが喜ばれます。特に色無地は着物に柄が無い分、帯で華やかさを演出するようにすると良いでしょう。

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記事の著者　京都着物レンタル和楽 (運営会社：株式会社和楽)